UFOはもう来ない  山本 弘

山本弘さんの小説はどれも面白くハズレがない。

テレビ番組の下請けプロデューサーとその仲間とUFOが大好きだがインチキは許さない関西弁OLと子供達が事故により日本に取り残された異星人をインチキ教団の教祖から取り戻し宇宙に返すという日本の現代版ETみたいな展開ですが異星人の描写が半端でない。

タコ型宇宙人の意識とか言い回しとかなるほどなぁと思わせる力技です。

 

作中で異星人は地球に対して非干渉を貫きます。しかし僕は現代の科学技術が何者かの技術供与の結果ではないかと疑ってはいるけどね。ライト兄弟が空を飛んでから70年ほどで独力で月まで行ったとかまだやらせだったというほうが信憑性があるというものです。

 

マスコミに対しても辛辣ではあるがもっともな気がする。

教団の教祖もなかなかいい味出してます。なんか続編が出そうな予感がします。

ヒロインが関西弁で非科学的な事に対してズバズバ切り込んでいく所とか凄く気持ちがいい。

詐欺師の手口とか読んでたらこんなものに引っかかるわけないと思っても実際引っかかってしまうのかもしれません。

FMS(ファルス・メモリー・シンドローム)偽記憶症候群という架空の出来事を現実と思い込む現象を紹介してるが過去の歴史とかいうものが現在の視点でみれば実にマジキチであるし現在の国が借金を返すために借金をしていくシステムとか詐欺のテクニックに皆が踊らされてるのではないかと思ってる。

従軍慰安婦とかの問題もそれっぽいよね。従軍慰安婦とかあったが多分募集だったとしか思えない。しかも親に売られたとかそういう背景もあるのかもしれない。

 

この小説は面白かったです。読んで色々考えさせられた。

 

UFOはもう来ない

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